一人飯の楽しみ方
新井(三鷹駅)天ぷら・うなぎ
三鷹の「新井」さんは、落ち着いた空間で上質な天重を手頃な価格で味わえるお店です。10数年前に偶然見つけたブログに店構えは上質で老舗の雰囲気を漂わせているが、実は庶民的なお店で手頃な価格で本格的な天ぷらが味わえると書かれていた。というか、そういうニュアンスの内容が書かれていたように記憶しています。
お店の構えから、誰かに連れて行って貰わないと入りにくいかもしれませんね。全くメニューとか外に表記がありませんので、価格も分からないし、何があるのかも分かりません。
お店は年配のご夫婦二人で切り盛りされていて、常連さんが基本的に足を運ぶだけなのかもしれません。あまり混み合っても常連さんにご迷惑だからという印象も受けます。店内は混んでもゆったりと過ごせる空間で、カウンターでも隣席との空間が十分にあります。喫煙も出来ますが、他の方のタバコもあまり気にならないのは換気の良さと天井も高いからだろうと思います。
ここのメニューは基本的に天ぷらがメインです。実は価格も非常に手頃で、いつも天重の上を頼みますが、980円。内容的には銀座の老舗なら間違いなく倍になる上質でかつボリュームのある天重を頂くことが出来ます。
具は「あなご一本、イカ、ピーマン、小海老2本、キス」です。特に穴子は味わい深く、小海老もキスも尻尾まで食べてしまいます。これにお吸い物とお新香が付いて、お重の蓋が浮き上がって届くボリュームです。
実は数年親の介護で足が遠ざかっておりましたが、改めて伺うと相変わらずのおもてなしで迎えて頂けました。昨日は親の介護の事など、ご夫婦と少々話し混んでしまいましたが、相変わらず美味しく気持よく過ごせました。
基本的に天ぷらがメインのお店だと思いますが、うなぎも何度か頂きました。こちらも専門店として美味しくいただける味だと思います。また、900円台のうな重があります。これは2013年5月の価格ですから、驚きます。月に一回は訪問しておりますので、気づいた事は時々お知らせいたします。
昨年(2013年の後半)ご主人が体調を崩され、一ヶ月ほどお休みされていたのですが今は元通りに営業されています。相変わらず美味しくゆったりと伺って落ち着いた一時を過ごせる大切なお店です。
新井(天ぷら)・地図
キッチンすもり(阿佐ケ谷駅)レストラン
阿佐ケ谷の駅から青梅街道へ向かう道を歩いて商店街に入り、すぐにそこから斜めの道を左に曲がって進む事数分で到着するお店です。商店街から外れた場所で40年続くというようなお店には外れは無いはずです。という事で食べログを見てからの訪問でした。
今でこそフレンチやイタリアンが次々に開店しますが、40年位前には洋食屋が一般的でした。看板はフレンチやイタリアンでも料理のメニューは昔の洋食と変わらず、ただメニューに書かれた料理名がそれらしく、盛り付けが大きな皿に少量の料理で、料理よりも演出が主体のお店が多くて、フレンチやイタリアンで開店したお店は「一人飯」の対象には成り難いというのが持論です。でも今後は昼なら1000円で大満足のイタリアンとかフレンチに登場して貰いたいものですね。等と考えつつお店に到着しました。
頼んでから10分弱程度で配膳されました。全て注文してからの調理ですので手抜きはありません。盛り付けも綺麗です。キャベツにレタスとキュウリにパプリカ添えのサラダですが、サラダに赤と黄色のパプリカが添えてあるのには感心しました。ドレッシングの味も薄味で品良く健康的な味わいです。
ハンバーグは物凄い肉汁がというものではありませんが、優しい味です。毎日食べても飽きが来ない風味に仕上がっています。デミグラスソースもバランス良く、白身魚のフライも油が良く切れていてさっぱりとでも味わい深い仕上がりでした。
健康的にも配慮された定食でしたが、家庭的な味かと言えばやはりプロの味ですね。家庭でこの料理を仕上げるとなると大変だと思います。ちょっと自分で調理して出せる味では無い、それだけ歴史を感じさせる料理したし、これで680円という価格には驚きます。最初は価格の安さに惹かれてという方も多いと思いますが、安いから行く店では無いとはっきり断言できます。
キッチンすもり・地図
鈴亭(西荻窪)とんかつ
西荻窪という街は実に人間的な雰囲気が漂う大人の空間だと長年隣接した街に住みながら思ってはいたものの、食事をする為に足を運ぶことは何故か少なかった街でした。元々三鷹に親の実家がありまして、子供の成長に合わせて20数年前に馴染みのあるこの地域に引っ越してからは、子育てや親の介護に追われて、知り尽くしている三鷹や吉祥寺界隈ばかりに足を運んだものです。
この鈴亭は花見の為に善福寺緑地へ自転車で出掛けた時に前を通り掛かって発見しました。並びには蕎麦屋、レストランなど何故か駅から結構な距離があるのに集まっています。ちょっと意外な雰囲気ですが、駅から離れていてもそれなりに成り立っているお店は悪くないはずと思いつつ伺ってみました。
お店は女性が一人で全てやっていると事前に調べて分かっていたのですが、とんかつというのは珍しいですね。この日はランチが「上ロースかつ」で、普段は950円のところが850円と手頃な価格です。写真で分かると思いますが、味噌汁は中が透けて見える程良い濃さです。味噌汁の出来が良ければ絶対に間違いないお店というのが、持論ですが今回も当たりでした。
とんかつはガッツリ食べさせるというよりも、肉の味を引き立たせてあっさりと食べさせる品の良い仕上がりですが、ボリュームも十分にありますので、男性でも十分満足出来ると思います。ソースは普通ですが、あまり出しゃばらないタイプであっさり目なのが良いですね。
キャベツも注文を受けてから、肉が揚がる時間を利用して刻んでくれるという丁寧さには、老舗ならでは有り難みを感じます。お陰でキャベツもご馳走になります。付け合せの浅漬も適度な塩加減で体に優しいですし、これからは他のメニューも頂きたいと思います。
駅から少し距離があり、他に目立ったお店も近くに無い為に食事を終えて帰る頃はいつも(まだ2回の訪問ですが)最後の一人になってしまいます。それでも近所に根強いファンがいるので続くのでしょうね。女性が一人ではこの程度の訪問数が適度なんだろうなと思いつつ、ゆったりと静かに食事が出来ますので非常に気に入りました。一人飯向き度星4つ半という所でしょうか?
11月の終わり(2013年)から待望のカキフライが始まりました。タルタルソースはありませんし、付け合せもとんかつと基本的に変わりませんが、中年には鈴亭さんのカキフライはカキの風味がしっかり感じられ、食感の良さと適度なサイズが7個も来るという贅沢な逸品です。これで800円とランチより安価。大丈夫なのか聞きたくなりますが、それも失礼ですよね。
冬になるとカキフライを食べ歩きますが、このカキフライ良いです。銀座に三州屋という人気店がありますが、負けていません。一人飯の聖地としては鈴亭さんの方が上ですよ。「孤独のグルメ」という番組の大ファンですが、ロケに来るなよと正直に思ってしまいます。
鈴亭・地図
割烹ゆず(荻窪)定食
荻窪には親戚が数件あるはずですが、小学校時代に訪れた後はご無沙汰していて場所も良く分からず、今は月に数回一人で昼飯を食べに来るだけの街になっています。割烹ゆずは何度も前を通り掛かっているものの、何の特徴も無い目立たないお店なので何年も通り過ぎていたようですが、カキフライを食べ歩いていた冬場にその候補の一件として発見したのが最初でした。
2014年の3月が最初の訪問でした。実はこの日にカキフライは終了していまして、来年に持ち越しになってしまったのですが、この訪問以降は定期的に尋ねる一軒になりました。
この割烹ゆずは定食屋として「注文が入ってから全て調理する、ご飯が美味しい、味噌汁の出汁が良くて香ばしい、基本的に薄味」を満たしてくれています。おかずは20種類程度から自由に選べるのですが、今までの所はハズレ無しで、一品一品が結構なボリュームがあります。特に揚げ物は女性なら、一品でも十分という人も居るかもしれません。
でもボリュームだけは無くて、それぞれの惣菜がしっかりとした確かな仕上がりで、揚げ物すらもさっぱり仕上がっているところが、ご主人の腕の確かさを感じさせてくれます。素材も個人的には十分なものだと思います。マグロの刺身も悪く無いですし、特にアジフライが気に入っていたのですが最近食べたキスフライも悪くなったですね。
ヒレカツなど、一品選べるといったレベルでは無くて、とんかつ屋のヒレカツが一人前出てきます。最近の訪問で驚いたのは、女性客が多い事ですね。お洒落だけど味は・・・?という店を卒業した女性たちが訪れているのでしょうか?昨日は20歳前半から一人で初めて訪問されたという年配の女性まで、自分以外は全部女性でした。
月に一度、ちょっと食べ過ぎたい日は「割烹ゆず」で3費品をお願いして一人飯を堪能します。日曜でも一時半ぐらいからは、一人で訪問してテーブルを利用しても問題は無く、昼は禁煙なのも気に入っています。
写真は鯵フライ、鯵の刺身、メンチカツです。ご飯の量はお客さんによって適度に出しているようで、少し少な目のご飯に惣菜たっぷりで健康的なお昼を頂いています。