介護度は高い方が良い?
介護を始めた頃に介護度が3以上無いと公的な施設には相手にされないとか、介護判定の時に限って親が頑張ってしまうので、判定が低くて等と聞かされますので介護度が高い方が介護を受ける側には何かと良いのではという誤解があるようです。
もしも家で親が過ごすのなら介護度は大した問題ではありません。介護度が1程度以下であれば、一人で過ごす事も可能ですので家族にとっては介護度は高くないほうが助かります。実は介護度が1であってもかなり多くのサービスを受ける事が出来ます。また介護度1であれば、要支援とか介護度が付かない普通の状態に戻る事も可能です。怪我や病気で一時的に介護度1になってしまった方も多いので、介護度1程度は危険信号と受け止めて、本人も周囲も自覚する時期の到来だと受け止めましょう。
ただ同じ介護度1であったとしても、歩行が非常に不安定な場合は危険性が高いと考えた方が良いでしょう。介護度が突然に上がって一人では過ごせなくなるリスクが高い事をいみしています。介護度1程度でも外を出歩いている方がおられますが、やはりリスクは高いので、一緒に買物や散歩にした方が安全だと思います。手すりも何も無い階段等はかなり危険です。
家の中ですら転倒するリスクが高い場合には、家の中を安全に移動できるように様々な工夫をする事をお勧めします。介護バーや歩行器等、すぐに用意してあげてください。その時点で要支援か介護度1程度は出るはずですので、住宅改修には一定の援助を受けることが出来るはずです。一度転んだら、治っても何かと問題が残る覚悟が必要だと思います。
介護度1が歩行に問題があって介護認定された場合は、リハビリで要支援程度に戻る場合もありますが、転倒から骨折に至って寝たきりの介護3程度になってしまう場合がかなり多いようです。介護1~介護3になって要支援まで持ち直す事はかなり難しいと考えてください。絶対に無理という事ではありませんが、それだけ注意が必要だと考えてた方が良いと思います。
介護度は認知力に非常に大きく左右されます。日常生活に危険が伴うような認知度では介護度は非常に高くなります。自分がした事を瞬時に忘れたとしたら、一人では何も出来ない事になります。これは自分自身に当てはめて考えても恐ろしいことです。
健康な人が冗談半分に歳を取ったら、最初にボケてしまった方が得だというような話をする事がありますが、認知度に大きな支障があった場合の危険性を真摯に考えたら、これは質が悪い冗談だとすぐに気づくはずです。
介護度は一人では何も出来なくなってしまっても、寝たきりでは無ければ介護度1程度です。更に寝たきりになっても介護度3程度で、寝たきりでは無くても認知症が進行すればすぐに介護度は上がります。認知症は加齢による軽いものから、アルツハイマー、ピック病、脳血管性痴呆などの病気から発症するまで様々ですが、加齢による場合は予防により症状の発症を遅くしたり、80歳代の後半でも十分に仕事が出来る方もおられますので、生活習慣の改善でいつまでも明瞭な意識で過ごすことは可能だと言えます。