最初に考える事・介護申請
親の状態に異変があって、最初から介護という事はまずありません。まず病院に行って診察を受け、治療や入院の必要があると言われたとします。そして入院や治療を経て自宅に戻って親が自分の身の回りの事を従来の通りに出来なかったら迷わず介護認定の申請をしましょう。もしも入院となった場合でも、入院中に介護認定の申請をお勧めします。まだ60歳代だからと言っても病気の内容によっては介護が必要な状態になってしまっての退院もありえます。
病院は病的な治療が終われば、元患者が歩けなくても退院となります。認知症でも同じです。病院は命に関わる病気なほど手厚く、明確な治療が必要であれば入院を継続する事が出来ますが、身の回りの事が出来ないとか、歩けないという理由では入院の継続は不可能です。
親が元の生活が出来ない状況で退院が迫っている時には、親が住んでいる地域を担当する公的な介護施設(地域包括支援センター等)に連絡します。Google等の検索で「介護保険課 大田区」等として検索しましょう。検索結果には地域の介護保険課の電話番号の表記が見つかります。その番号に電話をして、今の状況を相談してみましょう。相談員の方から介護判定の必要性について説明をして貰えると思います。
私の場合は直接窓口まで行って話をしました。電話をしても申請の為の書類提出が必要になりますので、必ず相談員の方とお会いする必要がありま。印鑑(三文判)を持って出掛けてしまう方がスムーズだと思います。
ここで相談員(ケースワーカー)さんと契約を結ぶ場合もありますので、親や自分の身分証明書を持っていた方が良い場合もあります。また、状況によっては相談員さんが病院や自宅に出向いてくれる場合もあります。訪問には親の状態や生活環境を相談員が判断する目的もあります。
退院しても親の生活が継続できない場合など、一時的に介護施設で過ごせる場合もありますので、困ったら公的な機関に相談する事が大切です。私の母親の場合は入院先の病院から次に入院する病院を決めてくれるようにと通達され、それを正直に守ったお陰で後々大変でした。
特にその病院にはケースワーカーさんが居なかった為に、母親について保護者である自分がどう判断すべきかを指導して貰う事ができませんでした。今なら殆どの病院にソーシャルワーカーの方がいらして、暫くは老人健康福祉施設に相談しては如何でしょうか?というような事になったのではと思います。
インターネットで何でも検索して判断するという方も多いとは思いますが、それは公的な機関に相談した後に自分が判断する段階で迷ってからが良いと思います。自分でここに書きながら言うのも変ですが、まずは介護認定を取得する事からと考えてください。介護認定は親の居る場所に判定員の方が来てくれるのですが、判定のテストを受けてから介護度が出るまでに一ヶ月近くも掛かる場合があります。この期間は暫定的なサービスを受ける事は出来ても、しっかりとしたリハビリ等は無理ですから、介護認定の申請は早目にした方が良いと思います。
親が元気な間にするべき重要な事
今更ですし仕方が無かったのですが、親が元気な間に十分にするべき事があります。旅行に連れて行ってあげるとか、孫と十分に遊ぶ時間を作るとか普通の事もですが、親の状態が悪くなって来るとどうしても出来ない事があります。
私が高校時代から両親が別居してしまったという事もあって、親と向き合って十分に話す時間が持てなかったという問題を抱えていました。ある時期まではなるようになるしか無いと考えていましたが、実際に親の具合が悪くなるとなるようにはならないと気付かされます。
親の事をあまりにも知らないので、食事一つにしても過去の記憶を辿って好きそうな物を用意しましたが、実は好きでは無くて食べなくて困りました。銀行や郵便局の通帳の場所や家の権利書も保管場所が分からないし、保険も入っている事を随分時間が経過して分かり無駄になったりもしました。
親も自分の境遇を考え、将来の為に出来る範囲で多少の準備をしていたらしいのですが、亡くなって数年が経った今でも知らない事がありそうで、片付けながら出てきた物が結構あります。郵便物を見ると何か関係がありそうでも、どういう付き合いをしているのか?不明な会社とか、全く分からない事ばかりです。
記憶が不明瞭になった時期では何も確認出来ませんし、体調が悪くなった状態で無利に聞くのも可哀想になり、遂に聞かずに終わってしまった事も多々あると思います。それがもしかしたら本人にとって残念な事では無い事を今でも祈るばかりです。